奈倉まゆみの描きつづり

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離れて気付く想いの深さ

冬の寒さもひしひしと。夜と昼の冷たさが増し、今年は冬が来るのは遅い気がするのですが、冬の影は隠れず、大きくなるばかり。

街のクリスマスムードが深まると、ちょっと恋の話などしたくもなります。

 

前回は藤原道信の失恋の話をしましたが、今回は藤原実方

 

 

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藤原実方は、多くの女性と関係があり、特に清少納言と恋人であったのではないかという話はよく目にします。それから、小大君や小馬の命婦など、天皇の妃に仕えた女房や女性たちとやりとりした歌が残っています。

 

光源氏のように、多くの女性にもてたのねと思ってしまいますが、うまくいくことばかりではない。

どうもいけない恋もしているようで…。

意中の女性に拒まれたり、女性の周囲の者たちに阻まれていることがしばしば。

(この件についてはまたいつか。)

想いが通じあったとしても、裏切られたり、袖にされてみたり。(偽者登場というのもありました(笑))

 

いつやいつやと恋人の来訪を待つ女性も辛いけど、通う方の男性もまた、苦労して訪ねたのに、つれなくされてはかわいそうですよね。

蜻蛉日記の中の、せっかく藤原道綱母のもとに藤原兼家が訪ねてきてくれたのに、屋敷に入れてあげなかった話が思い浮かびます。

 

実方集のある歌にはこのような詞書があります。

 

ある女、いかなる事かありけむ、さらにとはじなど誓ひて帰りて、ほどふるほどに、いかがおぼえけむ、いかまほしければ(実方集89)

 

ある女と、どのような事があっただろうか。「もうここには来るまい」などと誓って帰り、しばらくたった頃に、どう思ったのだろう、行きたくなったので。

 

 

あいまいでよくわからないですね。はっきりは言えないけど、何かがあって、女のもとに行かないことにした。けれども、行きたいと思うきっかけがあったのでしょうか。

 

拾遺集・恋四にも同じ歌があり、詞書にはこうあるそうです。

 

女を恨みて、さらにまうでこじと誓ひて後につかはしける

女を恨んで、もう訪ねて行かないと誓ったのち、この歌を持って行かせた。

 

女に何かされたのでしょうか。

 絶対に行かないと誓ったのに、やはり会いたくなってしまった。

離れて気付く恋人の愛しさと言いますか。しかし、強気で別れたと思うので、こちらから折れるのは恥ずかしかったかもしれませんね。

本来なら、直接告げた歌ではないようですが。

 

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なにせむに命をかけて誓ひけむいかばやと思ふおりもありけり

何のために命がけで誓ったのでしょうか。(それほど誓ったのに)生きたいと思い、あなたのもとに行きたいと思う時もあるものなのですよ。

 (岩波書店新日本古典文学大系平安私家集注釈より)

 

 ※素人の感想です。今後、詳しい歌の背景などがわかったら、更新するかもしれません。

 

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