奈倉まゆみの描きつづり

twitterのまとめ、自作のイラストや漫画、思ったことなど

直垂の変遷

梅雨入りしたのになかなか雨が降りません。

ジメジメしないのはよいですが、水不足や農作物への影響など、いろいろ気になってしまいます。

 

直垂について調べていたら、その変遷が面白いと思って描いてみました。

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https://twitter.com/heikoES/status/874679425366867968

馴染みがあるのは、やはり、室町時代や江戸時代の直垂でしょうか。歴史ものでよく見る装いです。

そして、平安時代の直垂は、え?これも直垂なの?と思ってしまいます。

 

そもそも直垂は、古墳時代から着用されていた装いが変化したもののようなのです。

人型の埴輪を見ると、前を紐で結んでいます。

このスタイルは、奈良時代に唐風文化に染まってしまった時に廃れたと思っていました。しかし、庶民の間では引き継がれていたのだと知って、少し興奮してしまいました。

 

平安時代末、武士が台頭してくると、庶民や下級武士が着ていた直垂も少しずつ、華やかになっていきます。

烏帽子は揉み烏帽子から折烏帽子に。直垂や直垂袴は大ぶりに。

室町時代になると、袴は切袴が多く見られるようになります。

 

アニメの「一休さん」を観たことがあるなら、蜷川新右衛門さんの装いを思い出してください。(もう知らない人も多いかな。)あれが直垂です。

 

 この頃には公家の間でも着られることもあったとか。

でも、将軍様は逆に公家の装いでしたね。

 

武士が直垂を必ず着たわけではなく、上級の武士は水干など貴族の装いをしていたのです。

 

例えば、現在NHKで放送中の大河ドラマ「おんな城主直虎」に登場する今川氏真が着ている着物が水干です。

 

直垂には大まかに三つあり、

一番格が上のものが、ハートのような丸打の胸紐と菊綴結のついた直垂、

次に菊綴をつける部分に大きな紋をつけた大紋(だいもん)、

飾紐に革緒も用い、帯は袴と同じ布にした素襖(すおう)となります。

 

今回挙げてませんが、鎧の下に着る直垂を鎧直垂といいます。

 

江戸時代、「武士」という階級が定められると、さらに直垂の装いは威厳を増し、袴は長く、さらに大ぶりになります。忠臣蔵の映画やドラマで浅野内匠頭が着ているのを見たことがある方もいるでしょう。

 

そして、武士からいつしか庶民の礼服にまでなった裃(かみしも)も、直垂がルーツなのです。

 

本来動きやすさを重視して着られていた直垂が、動きづらくなっていったので、戦国時代頃に袖を取り、やや肩を張らせた素襖が出てきます。(肩衣袴のこと)

髷は烏帽子に籠めなくなり、つける時は小さく折られた侍烏帽子をかぶり、紐をかけて、顎で結いました。

これも、装束が整えられ、馴染みの裃となります。

 

以上、大まかに変遷をまとめてみました。

時代は目安ですし、イラストは一例です。長袴と切袴、折烏帽子と侍烏帽子など、その時によって、組み合わせを変えたりもしたようです。

 

 刀の佩き方や履物についてはまだ勉強が不十分なのですが、どんどんグレードアップする装いがとても描いていて楽しかったです。

もう少し、勉強が進めば、彩色してもいいなと思います。

 

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